さてこの度は、Singulartの芸術収集家、アートコレクショナーを紹介したい。アートコレクショナー、彼らは、芸術作品に新しい価値を見出し、アーティストやアート産業を援助する役目があるだけでなく、私たちギャラリーSingulartにとっても大切な生命源。今週は、アートコレクショナーAngélique Aubertと対談し、彼女の芸術に対する情熱と彼女のコレクションについて話を伺ってみた。
Angélique Aubertは、芸術界とビジネス界の専門家としてのキャリアを積み、現在は創作マネージメントに特化したパリのリクルート会社m-O Conseilの社長をしている。アートオークションのパイオニアであるフランスの会社N@rtの支配人としてキャリアを始め、その後Société Générale社に入社、そこで芸術後援部門を新設し、のちに有名となる現代美術コレクションを作りあげた。2013年、一流企業のEmerigeグループに所属し、芸術後援部門や様々な芸術プロジェクトに関与してきた。Angéliqueはまさに公私ともに芸術漬けの人物だ。
一番初めに手に入れた作品について教えてください。
私は20年前くらいから作品の収集を始めましてね。最初に手に入れよう!と思った作品は、
Philippe Rametteは写真の中で、一本の木に対して直角に、つまり水平に立っている。この、視覚による認識と現実とのあそび感覚に私はものすごく惹かれたのです。ギャラリーと話してみると、この写真は加工されたものではないことがわかり、本当に驚きました。そして、視覚的にも、知的な面でも、この写真に恋に落ちたわけです。
私が作品を選ぶ時には、視覚的に気に入ることはもちろん大切ですが、芸術の創作過程も大事にしています。アーティストがどのように作品と対峙したか?その姿勢は、作品を購入するにあたって、作品から得られる感動と同じくらい大切です。
あなたのコレクションはどんな傾向がありますか?
アートコレクショナーの多くがそうだと思いますが、私のコレクションにも、これといったスタイル、テーマがあるというわけではありません。私のコレクションには絵画、デッサン、彫刻、写真があります。中でもフランス人アーティストが多いですが、これは別に個人的な意図があるわけではなくて、かつて私が若いフランス人アーティストを対象とした奨学基金Révélations Emerigeの創立に関わったからだと思います。
若いアーティストを援助し、彼らが年々キャリアを積んでいくのを見守ることは私にとってはとても大事なことです。私は作品から視覚的な刺激を得ることが好きなので、概念的な芸術作品は収集していません。購入する作品は、一目惚れするような作品、私を巻き込んでしまうような独特のバイブレーションを感じる作品です。作品を購入する際には、作品についての情報をあらかじめ手に入れておくことも私にとっては大切です。
作品を購入する前には、アーティストについての情報をたくさん集めます。芸術雑誌や記事などを読み漁って、ギャラリーにもたくさん質問をします。チャンスがあれば、作品を購入した後にアーティストと会うこともしています。
ご自身のコレクションはどのように展示されていますか?
購入前には、この作品をどう展示しよう?ということは考えていません。この作品はこの部屋に置こうとか、この壁に飾ろうとか予想せず、ただ、毎日その作品を眺めたいから、あるいは特定のアーティストを援助したいからという理由で購入しているので、例えば、数ヶ月前に購入したデッサンがいくつかありますが、今のところ壁にかける場所がないので、まだ床に置いたままですよ!
これからの若いアートコレクショナーに助言をください。
まずはじゅうぶんに時間をとることが大切です!自分がどんなジャンルのアートが好きなのかを知り、どうしてそのアートに感動するのかを知ること。そして、できる限り多くの芸術作品を鑑賞すること。美術品市場や美術館へ行って、目を肥やすことです。たくさん読むこと、ギャラリーやアートアドバイザーに連絡を取ってたくさん質問することも勧めます。最後に、若いアーティストの作品をもためらわずに購入することです。その時には自分の直感や勘を信じてください。
もし大金が手に入ったら、コレクションに追加したいアーティストは誰?
多すぎて困ります!でも、一人しか選べないとしたら、ここにあるJeanne Hebuterneのポートレートのような
最近、新たに発見したアーティストは誰?
つい最近あった奨学基金Révélations Emerigeの選抜で、若いアーティストLucie Picandetを知ったのですが、彼女の絵画には心を奪われましたね。